構造計算書偽造事件について

大変な問題になってます姉歯一級建築士。私も同じ一級建築士です。長文になります。



今回の事件で建築士の仕事の責任の重大さに、沢山の人々が気付いた事でしょう。もっともこんな事件で気付いてもらっても、ちっとも嬉しくありませんが・・・。私は自分の所属する資格者団体で日々、建築士の社会的地位の向上に努めてきたつもりです。しかし、一部の人の小さな利益や、欲のために全てがぶち壊しです。まぁもっともこの事件があったから、建築士が全てそうだと思う人は稀でしょうが、ほんと同じ資格者として、情けないです。昔から言われるのが、設計事務所、建築士の仕事、図面を描いて利益を得てますが、図面を売っている訳ではありません。学校で学んだ事、日々の業務で培ったことなど日々勉強してきた建築に対するノウハウや、アイデアを表現するのに紙と鉛筆(現在はCADですが)を使うだけなのです。「紙と鉛筆しか要らないし経費がかからないからいいねぇ」なんて言うひともたまに居たりします。建物を設計する事。それは住まい手の生命はもとより、財産をある意味ゆだねられると言う事に違いないと思います。検査機関や行政を含め、関連機関に益々波及し、色々な問題がまだまだ出てきそうですが、ここでもう一度、襟を正し、業務に取り組まねばと思います。よくよく考えれば医者だって信用されてない世間です。医者が患者を診察し治療するときは、普通は医者個人の判断で、診察しその治療方法を決定し、患者の同意を得て治療します。この段階では診察や治療についてはだれのチェックも受けません。一般的な病気や怪我の場合は、誰かに相談したりチェックを受ける時間はありませんし、国家資格を持っているのだから、というのも理由のひとつだと思います。しかし、それとは別に大きな理由があるのです。彼らの行う診察や治療は、事後にある機関によってチェックを受けます。皆さんもご存知の通り日本には「健康保険制度」という優れたシステムが存在しています。これはAという症状には、A1もしくはA2という診察をし、AアまたはAイという治療をしなさい。B1という診察やBアという治療はありえません。よってB1やBアについてはお金(保険からの)は支払えません、という面を持ったシステムです。簡単な例を挙げると、風邪の症状にはレントゲンはOKですがMRIはダメですよ、ということです。難しい国家試験に合格し、人の生命を直接扱うが故に本当に厳しい倫理感を持たざるを得ない医者であっても、場合によってはほぼ全ての診察や治療について、社会保険事務所等のチェックを受けます。みなさんのところにも「医療費についてのお知らせ」が社会保険事務所等から届くと思いますが、これは支払った医療費の額を知ってもらうことにより、医療費全体を抑制したいという趣旨と、「身に覚えの無い診療が無いかどうかあなた自身でチェックしてくださいね」というもうひとつの趣旨が存在します。やってもいない診療を医者が社会保険事務所等に請求するのを防止するためでもあるわけです。こういう実態をみると、医者だってそういう(適切な治療を施し、適切な報酬を申請するという)意味においては、信用されていないといえばされていないのです。保険という公的なお金を扱う以上仕方が無いことだと思います。信用というレベルを超えた、ごく当たり前の義務がそこにあるのでしょう。だらだらと書いてしましましたが、同じ建築に関わるものとして、何か書いておかないといけないと思い、キーボードに向かいました。最後まで読んでくださって感謝です。
[PR]

by pote_long | 2005-11-28 17:20 | etc